皆さんこんにちは、CEOの上口稚洋です。
「まさかとは思いますが、標的型メール訓練を自作していませんか?」
この問いにハッとした方もいるでしょう。
巧妙化するサイバー攻撃への対策として有効な標的型メール訓練は、自作することでコストを抑えながらも、自社の業務に合わせた訓練が可能です。
しかしその一方で、多くのデメリットも存在します。
この記事では、標的型メール訓練を自作するリスクを整理し、プロに任せるべき理由を解説します。
標的型メール訓練とその目的
標的型メール訓練とは、攻撃メールによる被害を未然に防ぐためのセキュリティ対策です。
実際の攻撃メールに似せたメールを送信し、従業員がそれに気づけるかを確認します。
訓練の目的は大きく二つです。
ひとつ目は「被害を未然に防ぐ力」を高めることです。
攻撃メールを受け取った従業員が「何かおかしい」と気づき、開封や添付ファイルの実行を避ける判断力を身につけます。
ふたつ目は「起きてしまった時の対応力」を養うことです。
万が一、標的型メールを開いてしまっても、速やかに上司やセキュリティ担当者に報告できる体制を構築していきます。
つまり、「防ぐ力」と「対応する力」の両方を鍛え、従業員のセキュリティ意識を高めていくことが標的型メール訓練の目的です。
標的型訓練メールの詳細は、以下の記事も参考にしてください。
>>いまさら聞けない標的型メール訓練とは?実施の流れと効果を高める3つのポイントを解説
標的型メールを自作するデメリット
一般的に、標的型メール訓練は専門のサービス会社から購入して実施します。
自社で作成して行う方法もありますが、それには多くの課題やリスクが伴います。
ここでは、自作する際の具体的なデメリットを解説します。
専門知識や手間が必要
標的型メールを自作するには、専門的な知識とノウハウ、そしてセンスが求められます。
なぜなら、毎回同じテンプレートや送信タイミングでは、従業員に「訓練メールだ」と見抜かれてしまい、警戒心が薄れてしまうからです。
効果的な訓練を行うには、文面の定期的な見直しや、従業員の反応分析、訓練後のログ解析や改善策の立案が不可欠です。
専門知識や経験が不足していると正しい評価ができず、訓練効果が十分に得られない可能性があります。
最新の攻撃手口を把握し反映する必要がある
標的型攻撃メールは年々巧妙化しています。
そのため、自作で訓練を行う場合は、常に最新の攻撃事例を調査し、訓練内容に反映させる必要があります。
最新の標的型攻撃メールは、ターゲットに合わせて内容を変えたり、生成AIを取り入れていたりするなど、数カ月前の手口ですら古く感じられるほど進化が早いです。
もし、訓練メールが古臭いと従業員に気づかれれば、訓練効果は大幅に低下します。
本来の業務を圧迫する
標的型メールを自作する作業は、想像以上に時間と手間がかかります。
その結果、セキュリティ担当者の本来の業務に支障が出ることもあります。
特に中小企業では担当者が一人というケースも多く、その負担は非常に大きくなるでしょう。
従業員に心理的ストレスがかかることも
標的型メール訓練は、従業員に心理的な負担を与える場合があります。
配慮のない方法で実施すると「会社に試されている」と感じ、信頼関係に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
特に、抜き打ちで行う訓練は動揺を招きやすく、従業員が過度な不安を抱えることも少なくありません。
セキュリティ意識を高めるどころか、組織への不満を強めてしまうリスクがあるのです。
逆効果になる場合もある
場合によっては、標的型メール訓練が逆効果になることもあります。
たとえば、訓練後の報告体制や対応フローが整備されていなければ、実際の攻撃時に適切な行動が取れません。
正しい体制が整っていなければ、せっかく訓練を行っても「訓練をやっただけ」で終わってしまう可能性があるのです。
標的型メールを自作するメリット
標的型メール訓練を自作することには、いくつかのメリットがあります。
ただし、メリットの裏側には注意点もあるため、あわせて理解しておくことが重要です。
コストが抑えられる
標的型メールを自作する最大のメリットは、外注せず低コストで実施できる点です。
特に社員が30人以下の小規模企業であれば、業者に数十万円を支払うよりも、自作した方が費用を抑えられる可能性があります。
しかし、社員が少ないからこそ担当者にかかる負担は大きくなり、本来の業務を圧迫するリスクには注意が必要です。
より現実的な訓練が実施できる
標的型メールを自作すると、自社の業務フローやメール環境に合わせてアレンジできるため、より実践に近い状況で訓練を受けられます。
たとえば、実際の取引先や社内のやり取りを模した文面を使うことで、本番に近い感覚を養えます。
ただし、リアルさを追求しすぎると、著作権や商標、不正競争防止法などの法律に抵触するリスクもあるため注意が必要です。
柔軟性がある訓練ができる
自作の訓練は、実施タイミングや内容を自由に決められる点も大きなメリットです。
組織の状況や従業員の習熟度に合わせて難易度を調整するなど、柔軟に訓練を行えます。
しかし、必ず振り返りと改善を行い、継続的に従業員のセキュリティ意識を高めることが重要です。
結局はプロに任せるのが安心!標的型メールなら株式会社アイネットテクノロジーズへ
ここまでご紹介した通り、標的型メールを自作するメリットはあるものの、手間やリスクの大きさを考えると、デメリットの方が上回るのが現実です。
特に、法的リスクや従業員への心理的負担を考慮すると、専門家に依頼する方がより安心で確実といえるでしょう。
プロに任せれば、法律や倫理面に配慮しながら、客観的で効果的なフィードバックを受けられるのも大きな強みです。
株式会社アイネットテクノロジーズでは、Microsoft 365サービスを活用した標的型メール訓練を提供しています。
企業ごとの運用環境に合わせてカスタマイズ可能で、情報収集型メールやマルウェア添付、リンク付き添付ファイルなど、6種類の攻撃パターンに対応。
さらに、350種類以上の訓練シナリオを用意しており、フルカスタマイズ可能なメール文や添付ファイルで、より実践的な訓練を実現できます。
実践後は、一人ひとりの弱点を可視化した詳細なレポートとデータを元にフォローアップを行い、従業員のセキュリティ意識を着実に向上させます。
事前・事後の相談も無料で承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
貴社のセキュリティ体制強化をトータルでサポートいたします。
>>アイネットテクノロジーズの標的型メール訓練について資料はこちら
まとめ
標的型メール訓練は、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高め、実際の攻撃に備えるために欠かせない取り組みです。
しかし、自作で訓練を行う場合、専門知識や最新の攻撃手口の把握、従業員への配慮など、多くの課題が伴い、逆効果になるリスクもあります。
コスト面や柔軟性のメリットはありますが、総合的に見るとデメリットの方が上回ります。
そのため、安全かつ効果的に訓練を実施するには、専門家に任せるのが最も安心といえます。